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ホーム/海外政策インテリジェンス/フランス
FRUnder revision更新 2026-06 / 検証 2026-06

フランス — 共和国統合契約(CIR)と2026年改革

30秒サマリー

フランスは「共和国の価値を共有する個人」への同化を求めるモデル。新規滞在者にCIR(統合契約)を義務づけ、2026年からは語学・市民試験の合格が在留資格・国籍の条件になる。多文化主義を採らない点で独・加と対照的。

経緯・政治背景(断面でなく流れで理解する)

  1. 1905政教分離法(ライシテ)

    宗教を公的領域から切り離す。後の同化主義モデルの思想的土台

  2. 1950–60s旧植民地からの労働移民が本格化

    戦後復興と脱植民地化。マグレブ(アルジェリア等)の仏語話者が中心

  3. 1974労働移民を原則停止

    石油危機後。以降は家族呼寄せが移民の主流に

  4. 1991高等統合評議会が「移民(immigré)」の統計定義を採択

    国籍ではなく「出生国」で定義。永続カテゴリー化

  5. 2004公立学校での宗教的標章着用禁止法

    ライシテ強化。ヴェール論争。同化主義の象徴的局面

  6. 2016CAI を CIR(共和国統合契約)へ改組・強化

    統合を「契約」として制度化

  7. 2024→2026移民法(Loi 2024-42)成立→2026年施行

    統合要件(市民試験・語学A2/B1/B2)を在留資格に厳格接続

制度のフロー(入国〜在留・国籍)

入国VLS-TS(長期滞在ビザ)
→
OFII面談・CIR署名移民統合局が統合契約を提示
→
研修市民教育(必須)+語学(A1未満時)
→
試験市民試験40問80%+語学証明
→
多年在留 A22〜4年カード
→
永住 B110年居住カード
→
帰化 B2国籍取得

日本への示唆

「統合を在留資格の条件にする」設計は日本の今後の論点。一方で同化主義は2世の社会的分断という副作用を伴うため、制度設計時には統合度の継続測定(定義整備)が不可欠。

⬢国(制度設計)

統合(語学・市民知識)を在留・永住の「条件」とするかの設計判断。条件化は学習を促す一方、満たせない層の排除を生まないセーフティネット(手続的公正・救済)の同時設計が要る。

◆自治体(現場)

同化主義は国の統一規範が強く、自治体裁量は狭い。自治体主導で共生を担ってきた日本とは設計思想が逆で、「国の規範をどこまで持つか」を住民現場の実態と突き合わせる視点が要る。

▲企業(受入機関)

在留更新が語学到達に連動するため、受入企業の学習支援が雇用継続に直結。語学要件の条件化は人材定着のコスト・責任として企業設計に跳ね返る。

一次ソース(原文/別タブで開く)

仏語Service-Public — CIR の公式説明
仏語INSEE — 移民・外国人統計の定義

※ リンクは出典確認用。内容はこのページで日本語完結。原文言語を明示し別タブで開きます。

統計定義の整理(日本との比較用)

外国人 / étranger

フランス国籍を持たずに居住する人。フランス生まれの未成年も含む(後に国籍取得しうる)

日本の「在留外国人」に近いが、日本は国籍取得者をこの統計から外す点が異なる

移民 / immigré

外国で外国籍として生まれフランスに居住する人。1991年に高等統合評議会が採択した定義

★国籍取得後も永続的に「移民」に分類(2024年は移民の34%が仏国籍)。日本に同等カテゴリーなし

移民の子孫 / 2世

フランス生まれで親の少なくとも1人が移民。「移民」とは別カテゴリー(2世は移民に含めない)

日本は「日本生まれの外国にルーツを持つ人」を捕捉する統計がほぼ存在しない

他国の詳細版

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