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ホーム/日本の制度/特定技能制度の現在地

制度解説

特定技能制度の現在地

2019年の創設以降の運用実態と今後の展望

次の出来事
登録された今後の出来事はありません
政策ブリーフ
なし
最終確認
2026.06.01

この記事のポイント

  • 12019年4月創設。2025年12月末時点の在留者数は約39万人で、6年連続で過去最多を更新(出入国在留管理庁)
  • 22024年3月に4分野、2026年1月にさらに3分野が追加され計19分野に。特定技能1号(2024年4月〜2028年度末)と育成就労(2027年4月〜2028年度末)の受入れ見込数の合計は約123万人
  • 3育成就労制度(2027年施行)の移行先として、両制度の整合性が今後の重要課題

制度の概要と創設経緯

特定技能制度は2019年4月に創設された在留資格制度である。深刻な人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材確保の取り組みを行ってもなお人材確保が困難な産業分野に限り、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れる仕組みとして設計された。 在留資格は「特定技能1号」と「特定技能2号」の2段階で構成される。1号は在留期間が通算5年上限で家族帯同は不可。2号は在留期間の更新に上限がなく、配偶者・子の帯同が認められ、条件を満たせば永住許可の申請も可能である。 制度創設時の対象は14分野であったが、2022年に製造業関連の3分野が統合され12分野となった。

2024年・2026年の制度拡大

2024年3月29日の閣議決定により、特定技能制度は大幅に拡大された。 【分野の追加】2024年3月に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が加わり計16分野となった。さらに2026年1月23日の閣議決定でリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が追加され、対象は計19分野に拡大した。 【受入れ見込みの引き上げ】2026年1月の閣議決定では、特定技能1号の受入れ見込数を約80.6万人に再設定した。対象期間は2024年4月から2028年度末までの5年間であり、2026年から数えた5年間ではない。育成就労(約42.6万人)と合わせると約123万人にのぼり、過去最大規模となる。 【業務区分の拡大】工業製品製造業に7業務区分が追加、飲食料品製造業にスーパーの惣菜製造が追加されるなど、受入れの幅が広がった。 これに先立ち、2023年6月の閣議決定で特定技能2号の対象が2分野(建設・造船)から大きく拡大された。ただし2号の対象は全分野ではない。令和8年4月時点では、介護(専門職資格「介護」で対応)に加え、2024年以降に追加された自動車運送業・鉄道・林業・木材産業・リネンサプライ・物流倉庫・資源循環を除く11分野が2号の対象である(これらの新規分野は当面1号のみ)。

特定技能1号 vs 2号

特定技能1号特定技能2号
技能水準相当程度の知識・経験熟練した技能
在留期間通算5年上限更新上限なし
家族帯同不可可(配偶者・子)
永住申請不可条件を満たせば可能
対象分野19分野11分野(介護・新規3分野等を除く)
支援義務受入企業または登録支援機関なし

受入れ状況の現在地

2025年12月末時点の特定技能在留外国人数は390,296人(出入国在留管理庁, 2026年公表)であり、制度開始の翌年から6年連続で過去最多を更新した。2024年12月末の284,466人から約37%増えている。 分野別の上位5分野(2025年12月末時点)は以下のとおり。 ・飲食料品製造業:95,644人(24.5%) ・介護:67,871人(17.4%) ・工業製品製造業:57,576人(14.8%) ・建設:51,122人(13.1%) ・外食業:44,925人(11.5%) 上位5分野で全体の約81%を占める。国籍別ではベトナムが最多だが、構成比率は低下傾向にあり、出身国の多様化が進んでいる。

外食業分野:在留資格認定証明書の交付停止(2026年4月13日〜)

外食業分野は、特定技能1号の在留者数が受入れ見込数(5万人・2028年度末まで。受入れの上限として運用)に近づいたため、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止されている(入管法第7条の2第4項に基づく措置。出入国在留管理庁 2026年4月13日公表)。海外から新たに呼び寄せるための交付申請は、同日以降に受理された分が不交付となる。 申請の種類ごとの扱いは次のとおり(同庁 2026年3月27日公表「受入れ上限の運用について」、2026年9月10日掲載「在留諸申請の審査状況」)。 ・在留資格認定証明書の交付申請:4月13日以降の受理分は不交付。それより前の受理分は、受入れ見込数の範囲内で受付日順に交付される(9月10日掲載時点で、受付日が2026年1月31日までの申請) ・特定技能1号(外食業分野)への在留資格変更:4月13日以降の受理分は原則不許可。ただし、外食業分野の特定技能1号の人の転職に伴う申請は通常どおり審査され、技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)の修了者と、外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更は、受入れ見込数の範囲内で順次許可される ・在留期間の更新:通常どおり審査される 2026年7月末時点(速報値)の外食業分野の在留者数は49,290人で、受入れ見込数50,000人の98.6%にあたる。受入れ再開の時期は、同庁の資料では「未定」とされている。2026年10月9日時点で、同庁の特定技能のページに停止の解除を知らせる掲載はない(同日に原文を確認)。外食業分野で採用を計画する場合は、申請の前に同庁の「審査状況」のページで最新の扱いを確認する必要がある。

制度運用の課題

【地域間の偏在】三大都市圏への集中が見られ、地方部では確保が難しい状況にある。生活環境・日本語教育体制・コミュニティの有無が地方定着に影響している。 【転職手続きの煩雑さ】同一分野内での転職は認められているが、在留資格変更手続きの複雑さや転職先の確保が課題となっている。 【2号移行の低調さ】2号の対象分野は2023年に11分野に拡大されたが、必要な技能試験の整備が分野によって異なり、実際の移行者数は限定的である。 【生活支援の質のばらつき】受入企業または登録支援機関による支援(事前ガイダンス・住居確保・日本語学習機会の提供等)が義務づけられているが、支援の質は均一ではない。

育成就労制度との関係

2027年4月施行の育成就労制度は、特定技能制度と密接に関連しています。育成就労は「特定技能1号に必要な水準の技能を育成する」ことを目的としており、3年間の育成就労を経て特定技能1号に移行するのが基本設計です。 これにより外国人のキャリアパスは「育成就労(3年)→ 特定技能1号(5年)→ 特定技能2号(更新上限なし)」という段階的な構造になります。技能実習制度の「帰国前提」から、日本での長期的なキャリア形成を視野に入れた制度体系への転換です。 育成就労の対象分野は、2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針で17分野と定められました(特定技能の19分野のうち、航空と自動車運送業には育成就労の分野が設定されていません。2026年10月9日に原文を確認)。両制度の整合性の確保が運用上の重要課題です。最新の制度動向は政策ブリーフと国内の関連資料で確認できます。

参考文献・出典

  1. 特定技能制度—出入国在留管理庁
    https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/
  2. 受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加(令和6年3月29日閣議決定)—出入国在留管理庁
    https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/2024.03.29.kakugikettei.html
  3. 特定技能在留外国人数の公表—出入国在留管理庁
    https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html
  4. 在留資格「特定技能」について—外務省
    https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/ssw/jp/index.html
  5. 特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について—出入国在留管理庁(公表 2026-03-27)
    https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/03_00001.html
  6. 特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について—出入国在留管理庁(公表 2026-04-13)
    https://www.moj.go.jp/isa/03_00176.html
  7. 特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況(2026年9月10日掲載)—出入国在留管理庁(公表 2026-09-10)
    https://www.moj.go.jp/isa/10_00259.html
  8. 特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)—出入国在留管理庁(公表 2026-10-06)
    https://www.moj.go.jp/isa/content/001472175.pdf
  9. 基本方針・分野別運用方針(分野別運用方針は令和8年1月23日閣議決定)—出入国在留管理庁(公表 2026-01-23)
    https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri01_00132.html

本ページの記述は上記の公的資料に基づく要約・解説であり、法的助言を構成するものではありません。制度の正確な内容・要件は各出典の原文および所管省庁にご確認ください。

最終確認日:2026年6月1日 — 記載内容は上記「参考文献・出典」の一次資料に基づいて作成しています。制度・数値は変更されることがあるため、実務での利用時は一次資料の最新版をご確認ください。

国内の関連資料

「特定技能」に関連する国内の資料(新しい順)

政策・制度掲載2026.10.26

「物流倉庫分野」特定技能1号評価試験を開始します

令和8年1月に特定技能制度の対象分野へ追加された「物流倉庫分野」で、特定技能1号評価試験の申請受付が令和8年10月26日から一般財団法人日本海事協会で始まりました。試験形式は、申請者(法人)が希望する会場で行う出張方式(ペーパーテスト)と、テストセンターで実施するCBT方式の2種類です。現在はCBT方式の配信準備中のため、先行して出張方式で試験を開始します。出張方式は、試験日程等について申請者と事前調整したうえで実施します。

政策・制度掲載2026.10.19

第15回特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議を開催しました。

第15回「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」を、令和8年10月19日(月)15:00~17:00に法務省1階会議室で開催しました。議事は、特定技能制度及び育成就労制度の分野別運用方針の改正について、外食業分野における医療・福祉施設給食業等の飲食料品製造業分野での受入れ(案)、介護分野における特定技能1号・育成就労の受入れ見込数の配分変更(案)でした。配付資料として、資料1-1、資料1-2、資料2-1、資料2-2、資料3-1、資料3-2が掲載されています。議事要旨と議事録は追って掲載予定とされています。

政策・制度掲載2026.10.19

「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」を更新しました。

出入国在留管理庁は、2026年10月19日付けで「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部を改正しました。改正箇所は、第3章第2節「特定技能2号」の【留意事項】と、参考様式第1-32号(2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書)です。2号特定技能外国人が指導する対象者について、別の事業所に出勤している者や、他の2号特定技能外国人に指導を受けている者でも、合理的な事情・理由があると認められる場合は柔軟に取り扱う(指導対象者に含む)とされました。また、指導対象者が採用プロセス中で一時的に不在であるなど合理的な事情がある場合は、指導対象者数を満たしていなくても柔軟に取り扱うとされています。

政策・制度掲載2026.10.19

2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)について、「特定技能制度に関するQ&A」を更新しました(Q102~105)

出入国在留管理庁は、2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)について、「特定技能制度に関するQ&A」のQ102~105を更新した。Q102では、指導対象者が一時的に不足している、フルタイムではない等の場合の対応について問い合わせがあったことから10月19日付けで内容を見直したとし、分野ごとに必要な指導対象者数を一時的に満たしていない場合は、誓約書の留意事項5にチェックを入れ、理由を記載して提出するよう案内している。Q105では、令和8年8月20日から10月19日までに申請した案件も見直し後の取扱いで審査するため、原則として新様式の誓約書を改めて提出するよう求めている。

政策・制度掲載2026.10.16

特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況について更新しました。

出入国在留管理庁が「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」を更新した(ページの表記は2026年10月19日掲載。同庁の新着情報一覧では10月16日付で掲載)。同庁は在留資格変更許可申請を優先して処理しており、在留資格認定証明書は交付が可能な場合に受付日順で交付している。現在交付しているのは受付日が令和8年2月6日までの申請。令和8年10月16日時点で申請中の在留資格認定証明書交付申請(速報値)は、2月7日~2月28日受理分が732件、3月1日~3月31日受理分が1,825件、4月1日~4月12日受理分が4,804件で、4月13日(一時的な交付停止措置の開始日)以降に受理した申請は原則不交付とされている。在留資格変更許可申請は類型ごとに対象の受付日が示され、在留期間更新許可申請は通常どおり順次審査されている。

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