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日本の制度ガイド

永住と帰化(在留の出口)

長く日本で暮らすための2つの道。要件と2026年の厳格化

この記事のポイント

  • 1永住は「外国籍のまま無期限に在留できる」資格、帰化は「日本国籍を取得する」手続き。永住に参政権はなく、帰化には参政権がある
  • 2どちらも原則10年の在留が目安になった。永住許可ガイドラインは2026年2月に改訂、帰化の運用は2026年4月に厳格化された
  • 3公的義務(納税・年金・社会保険料)の期限内の履行が重視され、永住では2027年施行の許可取消し制度も新設された

永住と帰化のちがい

日本で長く暮らす外国人にとって、安定した地位を得る道は大きく2つある。「永住」と「帰化」である。 【永住】在留資格を「永住者」に変更すること。外国籍のまま、在留期間の制限なく日本に住み続けられる。就労の制限もなくなる。ただし日本国籍ではないため参政権はなく、退去強制の対象であり続け、在留カードの更新など在留管理の枠組みには残る。 【帰化】日本国籍を取得して日本国民になること。参政権を含む国民としての権利を得るが、日本は重国籍を原則認めないため、元の国籍は離脱することになる。所管も出入国在留管理庁ではなく法務局(法務大臣)である。 どちらを選ぶかは、参政権の要否、元国籍を残したいか、家族の状況などによって異なる。

永住許可の要件と2026年の改訂

永住許可の要件は、出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン」に示されている。主な法律上の要件は次のとおり。 ・原則として引き続き10年以上日本に在留していること。うち就労資格(技能実習・特定技能1号を除く)または居住資格で5年以上在留していること ・罰金刑・拘禁刑などを受けておらず、公的義務(納税、公的年金・公的医療保険の保険料の納付、入管法上の届出等)を適正に履行していること ・現に有している在留資格について、最長の在留期間(多くは5年)をもって在留していること 2026年2月24日の改訂で運用が厳格化された。公的義務は、申請時点で納付済みでも本来の期限内に履行していなければ原則として消極的に評価される。また、在留期間「3年」を最長とみなす経過的な取扱いは2027年3月31日までと明示され、2027年4月1日以降は原則「5年」が前提となる。 さらに2024年6月成立の改正入管法で永住許可の取消し制度が新設された(2027年施行予定)。故意の税・社会保険料の不納付や重大犯罪などが対象だが、失業・病気などやむを得ない事情で相談している場合に直ちに取り消されるものではない、と説明されている。 なお原則10年には特例があり、日本人の配偶者等は実体を伴う婚姻3年+在留1年など、高度専門職(高度人材)は70点で3年・80点で1年に短縮される。

永住と帰化の違い

永住帰化
法的地位外国籍のまま在留日本国籍を取得
参政権なしあり
在留期間無期限(在留管理は継続)—(日本国民になる)
居住要件の目安原則10年(うち就労等で5年以上)国籍法は5年。運用上は原則10年(2026年4月〜)
元の国籍維持できる原則として離脱が必要
所管出入国在留管理庁法務局(法務大臣)

帰化の要件と2026年の運用見直し

帰化の要件は国籍法第5条に定められ、一般に次の7点に整理される。 1. 住所要件:引き続き5年以上日本に住所を有すること 2. 能力要件:原則18歳以上で、本国法上も行為能力があること 3. 素行要件:納税・社会保険・交通違反などの法令遵守状況が良好であること 4. 生計要件:本人または同一生計の親族の収入等で安定して生活できること 5. 重国籍防止要件:原則として帰化により元の国籍を離脱・喪失できること 6. 憲法遵守要件:暴力的に政府を破壊する思想・団体に関与していないこと 7. 日本語能力:日常生活に必要な日本語の読み書き・会話(条文外だが実務上求められる) 2026年4月1日から運用が厳格化された。国籍法の条文(住所要件「5年以上」)自体は変わらないが、永住許可との整合を図る観点から、審査上は原則10年以上の在留と日本社会への融和を求める方針となった。あわせて納税の確認期間が直近1年分から5年分に、社会保険料の確認期間が1年分から2年分に拡大された。

「在留の出口」という視点

日本の外国人受入れは、誰を受け入れるかを選ぶ「入口」(高度専門職のポイント制、特定技能・育成就労の試験など)が整備される一方、長期在留・国籍取得という「出口」は2026年に相次いで要件が引き上げられた。 これは、在留外国人が初めて400万人を超え(2025年末で約412万人)、永住者が在留資格別で最多(約94.7万人)となるなかで、永住・帰化を「より慎重に審査する」方向への転換である。高度専門職や特定技能で来日した人材が日本で長期的にキャリアを築けるかは、この出口の設計に左右される。 入口での技能選別と出口での要件強化が同時に進む現在、受入企業・支援機関・自治体は、外国人本人のライフプラン(公的義務の継続的な履行を含む)を見据えた情報提供が求められる。

数字で見る永住・帰化

永住者は在留資格別でもっとも多く、2025年末時点で約94.7万人と在留外国人全体の約23%を占める。日本で暮らす外国人の4人に1人弱が永住者という構成である。 帰化の許可者数は、法務省の統計によると2024年(令和6年)は申請12,248件に対し許可8,863件、不許可639件であった。永住者数に比べると帰化者数は限られており、外国籍のまま永住を選ぶ人が多いことがうかがえる。 2026年の永住・帰化双方の要件厳格化が、今後これらの数値にどう影響するかが注目される。

参考文献・出典

  1. 永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)—出入国在留管理庁
    https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan50.html
  2. 永住許可(入管法第22条)—出入国在留管理庁
    https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/eizyuu_00001.html
  3. 帰化について(国籍法第5条)—法務省・東京法務局
    https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000001_00885.html
  4. 帰化許可申請者数・帰化許可者数等の推移—法務省
    https://www.moj.go.jp/MINJI/toukei_t_minj03.html
  5. 在留外国人統計—出入国在留管理庁
    https://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_touroku.html

本ページの記述は上記の公的資料に基づく要約・解説であり、法的助言を構成するものではありません。制度の正確な内容・要件は各出典の原文および所管省庁にご確認ください。

情報確認日:2026年6月1日 — 一次ソースに基づきファクトチェック済み

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